日々共に生活をしている職員だから気付くことの出来るアーティスト(利用者様)のストーリー





かしわ荘 生活支援員

阿部美奈子



「彩り」

いろいろな作品が見られます。この仕事のおかげで、利用者さんからのたくさんの作品を目にしますが「個性であふれている。」と感じます。

形も様々ですが、色のバラエティーに富んだところが個性。単色もありますがカラフルな仕上げには本当に生命力を感じます。見た目の色でなく、感じた色で描けるところが奥深い。心象風景かな・・・なんて思いながら作品をみています。

美術・芸術は敷居の高さを感じる事もありますが、その人の感じたまま・思いのままでかけることは原点です。利用者さんの素直さ・ありのままが作品を通して見られることは見る側の時間にかけがえのない彩りを加えてくれます。

作品を作ってくださるみなさん、どうもありがとうございます。

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かしわ荘 生活支援員

さいとうあきら



「無題」

あんまりむずかしいことかんがえないで、
きばってむずかしいこといおうとしないで、
ちょっとだけむずかしいことはおいといて

そこにあるものからなにかをかんじたら
それでいいんじゃないのかな
っておもう

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かしわ荘 生活支援員

田米開三智子



「驚きと喜び」

「アート」と聞くと、難しくて身構えてしまう私がいました。
しかし、私の小さなアイドルは、色々な所が他の人より少し遅れていますが、絵を描く感性はとても優れています。

ある時展示された花火を一緒に見に行きました。家族みんなで手をつないで花火を見ている絵でした。その空には一人の人が描かれていたので、「あの人は誰?」と聞くと、「僕のひいおばあちゃんだよ。天使になってみんなを守ってくれているんだよ。」との答えでした。
その感性に驚きと喜びで、涙であふれそうになりました。

施設には様々な障害を持っている人がいますが、一人ひとりとても良い感性を持っています。人それぞれ「アート」で取り組みたいものが違いますが、ほんの少し手をさしのべることで日常生活が豊かになり、心穏やかに暮らせるようにお手伝いができることに感謝です。






かしわ荘 生活支援員

秋元愛香



「それぞれの個性を持った同じ人間」

まず初めに、私の父と母は障がいを持っています。
小さい時から感じていたことは、障がいを持っている父と母のことを可哀想や哀れな目でみている人が大半なことでした。
両親の隣でその視線はたくさんみてきましたし、大変だねと言われることもありました。
僕は不思議でしょうがなかったです。なにが可哀想なのか。僕にとっては普通の家族ですから。

障がいとアートは通ずるものがあると思います。障がいとはその人の個性。母は障がいを持っていてたくさんの経験をすることができたと自分に誇りをもっています。私は小さいときから障がいをもった方と接してきて、とても心の綺麗な方々が多いなと感じています。
アートを通して、利用者様一人ひとりの個性、心の純粋さを伝えていければいいなと思います。

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かしわ荘 生活支援員

松井拓也



「アートには正解がなく自由で誰で楽しくできる事」

私自身がアートについて思う事はアートには正解がなく自由で誰で楽しくできる事だと思います。
利用者様にいきなり絵を描いてなど言っても中には戸惑って何をすればいいかわからない利用者様もいると思います。なのでまず職員が見本で絵を描いたり、画像などを見せて最初は真似でもいいので描いてもらいたいです。そして段々と自分の思うがままに自由に描けるようになるとアートがより一層楽しくなると思います。
中には人の真似をする事をよく思はない人もいると思いますが、画家のサルバドールダリは「何も真似をしたくないと思う者は何も生み出せない」と言っているので真似は良いことだと思います。
これから利用者様が楽しくアートに取り組んでもらいたいです。

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かしわ荘 生活支援員

櫻井杏梨



「世界観や個性を楽しく表現」

この度、初めて障がい者アートというものに関わらせて頂くことになりました。
「アート」とは何か。「障害」とは何か。そして「個性」とは、「多様性」とは何かをじっくり考えるとても良い機会を頂いたと思います。
いろいろなストーリーを一人一人が持っていて、障害があり話すことや聞くことができなくても、アートを通して感じたり、伝えることができると思います。
障害の有無は関係なく、世界観や個性は誰もが皆持っていて、その世界観や個性を楽しく表現し、発信していく為のお手伝いをさせて頂けたらと思っています。

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かしわ荘 生活支援員

丸山隆太



「一人一人の可能性」

ある時インターネットで服を探していました。自分のお気に入りのブランドの新作紹介のページです。いくつか気に入った商品があり商品説明を読みました。そして衝撃を受けます。
なんと福祉施設とのコラボレーション商品で、デザインしたのはその施設の利用者様だったのです。既にいくつかの商品は予約の時点で完売しており、有名ミュージシャンも着用するほどの人気ぶりでした。
利用者様が感性のままに作品を制作し、その作品に触れた大勢の人が感銘を受けているんだと実感しました。そして、自分が普段接している利用者様たち一人一人が、多くの人に感動を与えることができる可能性を秘めていると気づかされました。

いつかかしわ荘の利用者様のデザインした服を着ることができるかも知れません。その日がやってくることを夢見ながら、制作活動をお手伝いさせていただきたいと思っています。

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かしわ荘 事務員

柏瀬大輔



「日常が芸術」

利用者様が自由な筆致で描いてくれた、僕の似顔絵。
好きな言葉、気になる響きを、思いのまま書き綴った文章。

施設で働く日々のなかで、ごく日常的に接してきたそれらが、障がい者アートという名の「芸術」になるという。

これまで、僕にとって「芸術」といえば、優雅で知的で高尚で、鑑賞する側にも豊かな教養と深い知識を要求してくる、少々近寄りがたいもの。
そんな位置づけの存在だった。

しかし、施設で暮らす利用者様達の創作物であれば、話は別だ。利用者様自身の個性や日常を、それぞれに表現したそれらは、僕にとって、もっとも身近で親しみ深い作品たちなのだから。

どのような個性が、どのような日常が、どのようなカタチで表現されていくのか。利用者様の創る「芸術」のいちファンとして、心から楽しみにしています。

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かしわ荘 生活支援員

石川亜沙美



「ありのまま、そのまま」

表現することに決まりごとはなく、枠もない。自然で自由で広いなぁと感じます。
形も色も、表現された全てがその方自身で、ありのまま、そのままを表現することに魅力を感じます。
そのような環境、近くで見させていただけること、少しでもお手伝いできることは、とてもすてきなことだと思っています。
日々の生活の中でも、さまざまな視点で見たり感じたり、そして気付くことができるようになれたらと思います。






かしわ荘 生活支援員

中島正道



「未知数の期待値」

「障がい者アート」という言葉自体は入荘する以前から知ってはいたのですが、私自身が「障がい者アート」に大きく関わる事はとても当初想像する事すらできませんでした。
ただ、当施設で利用者様と生活する時間の中で「アート」と「障がい者」の親和性に気づかされました。独特の表現スタイルや他に類を見ない画材の使い方は、非常に強いユニークさを感じます。感情のおもむく先に筆を走らせる姿は、「アート」の根源に最もピュアなスタイルだったのです。
また、作り出されるアートというのはつまり利用者様の「心の言葉」である事に気づきました。利用者様の中ではコミュニケーションの中で意志を汲みとることが困難な方もいます。しかし、アートというフィルター越しでは、ダイレクトな利用者様の心の言葉に触れたような感覚を覚えるのです。
そこに大きな意義を感じる事が出来るのです。まだ始まったばかりですが、「未知数の期待値」感じながら利用者様と進んで行きたいと思います。

また、当ホームページでスナッグルアップアートとしてご紹介していますが、利用者様の制作された過去の作品にグラフィックデザインのエッセンスやアイデアを新たに加えて別の表現を提示する試みも今回始めました。

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